硝子の部屋

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鍵の引き出しの中が “秘密”だらけになる頃には 土曜の午後を佐久間と 過ごすようになっていた。 秋には自然な流れで 佐久間の唇を受け入れて・・・ 初めて“外泊”の嘘まで 両親について・・・。 同級生の誰が、一泊三十万も する部屋で、“初めての夜”を 経験しただろうか・・・。 自慢したい気持ちもあったけれど 何よりも佐久間の存在が 他に知られることで 佐久間を失うことが怖かった。 佐久間の指で・・・舌で 溶解すればするほどに “春の牝猫の声”を覚えるほどに 佐久間を失うことが怖かった、 そのころは・・ ・  ・。
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