硝子の部屋

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佐久間の海外出張に合わせて 秘密の仕事を引き受けた 千葉のホテルロビーの花装飾。 たまたま友人の結婚式に きていた颯介が  「素敵だなあ、ヒマワリが   こんなにゴージャスに   生けられるなんて」 男の人、ましてや二十代半ばの人に  (花なんて解るのかしら) ・・・その疑問はすぐに解けた。 房総半島の花農家の跡取り息子。  「あんまり金にはならないけど   子どもの頃から花が好きなんだ」 誘われるままに颯介の花畠へ。 彼の踏みしめる土の香りと 歌うように揺れる可憐な花花。 私の中に、澄んだ風が 吹き抜けた・・・。
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