硝子の部屋

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 「別れてください!」 佐久間は返事の代わりに 携帯電話を取り上げた。  「別れてください!」 マンションの扉はロック、 必要なものは、佐久間の 秘書が届けるように。  「別れてください!」 佐久間が来るたびに懇願した。 けれども、佐久間は冷ややかに 私を抱いて帰るだけ・・・。  「別れてください・・・」 が、  「ここから・・・出して」 に変わり・・・・ 言葉が出なくなった。 ただ、息をしているのは 不思議な感じ。 食欲が薄くなりはじめて、 見たいものも無くなる。 そのうちに・・・・・・・ いったい、今が何月何日かも 解らなくなって・・・・・・。
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