あぶない女

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友達に尋ねて選んだ 女子受けする店は 巧い具合に個室フレンチ。  「可愛いオードブル!   ワイングラスも素敵!」 出てくるもの全てに感嘆して 美味しそうに食べる円香をみて 少々値が張ったけれど 充分満足していた。いや・・・ むしろ、値の張る個室フレンチ だからこそ、酔いに(とろ)けて 涙袋をほんのりさせる円香を 人目憚らずに眺め・・・  「ほら?熱いでしょ?   酔っぱらっちゃったあ」 僕の手を取って、自分の首筋に あてる円香を、つい・・・つい 引き寄せることも出来た・・・。 白ブドウ酒の香りに 絡まる舌が興奮を呼んで みっともないくらいに 僕の指は円香の身体中を這い、 それに応える湿った吐息が  『彼女は危ない女』 過る店長の言葉を 抑え込んでしまっていた。  「・・・いいわよ」 半開きした瞳の円香が 紅い爪先で指した ネオンサインの妖しい建物の中で 一時間後には・・・  (気持ち良すぎるぞ・・・) 円香の上で、そんな感想を 繰り返していた・・・。
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