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ある日曜の午後だった。
手持ち無沙汰に真緒子は
過ごしていた。
ただでもそうそう会える
相手でない良久。
ましてや土日など・・・。
(今頃は家で・・・
子供達と買い物でも・・・)
そんな妄想が
たった独りの真緒子の部屋に
空しい風を呼び寄せるのが週末。
この午後もやるせなく
ぼんやりとテレビを観ていたが
不意に電話が鳴った。
「ま、まおちゃん?!今、
裁判所から通知が・・・」
その声は母からだった。
実家を離れて以来
途切れ途切れになっていた
親兄弟との連絡が
思わぬ出来事で久しぶりに。
「裁判・・・所?」
「まお・・・あなた、
余所様の御主人と
・・・その・・・」
はっきりしない母親に代わって
「他人の亭主を寝盗ったのか?!」
兄の怒号が響いた。
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