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無くて七癖・・・ (よく言ったもんだ) (いたる)は妻・初美(はつみ)の 焼きたてシュークリームのような頬に チョコンと凹む笑窪を見ながら 不意と思った。 初美は、自身が最も可愛く映る顔を 十分、心得ていた。 そして、大抵の男なら その笑顔に惹かれることも 十二分に知っていた。 加えて、逹の妻になって 五年も経つというのに 三十も過ぎた分別ある人妻で あるべきにも関わらず・・・ 初美は、それらを意識して、 “男の目”を意識して、 暮らしていた。
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