メロン

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「今、コーヒーをいれるわ」 奥村に勧められて ソファに座ったと同時に 防音のピアノ部屋の扉が開いた。 就学前の女の子の後ろに “美魔女”の雅子。 美しいだけではない。 声楽も出来るわけだから 胸の肉厚はなかなか・・・。 若い頃・・・高校時代から “モテた”伝説が残る。 雅子は千帆の高校の卒業生で 在籍で雅子を教えた先生も  「金持ちだし、美人だし   勉強もソコソコ出来る!   まさに女王様だった」 そう絶賛する。 それは大袈裟な噂でないことは 今の雅子を見れば納得なのだ。 「ごめんなさいね、お呼びだてして。  来月の発表会の用意をお願い  出来るかしら?」 「承知致しました。  大学院が夏休みなので  退屈してたからちょうど  よかったです」 「奥村さん、お台所に  メロンがあるの。千帆ちゃんの  好物だから切ってあげて頂戴」   (メロンか・・・やっぱり  あの革靴は“例のひと”だ)
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