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「何しにきたのよ?!」
娘の剣幕に開口出来ない敦也。
「どうしたんだ?」
オロオロする夫。
私は冷静に
「敦也さんが浮気を・・・
していたのですって。
晴香が里帰りしたあたりから」
言った。
「いや、ほんとに数回、
お母さん、お父さん!
“つい”、ついなんです!
気持ちがどうとかでなく」
夫はかつてしたことのある
敦也の言い訳に俯くしかない。
「“つい”ですって!
気持ちがないとかあるとか
そんな問題じゃないわ!」
晴香はクッションを敦也に
投げつけてまた泣き出した。
「ごめん、晴香・・・」
床に座って敦也は呟いた。
「あなた・・・どうなさる?
あなたは晴香の父親でしょう?
娘を傷つけられて
何かありませんか?」
「 ・ ・ ・ 」
だろう、かつての自分なのだから
夫には言葉などあるはずはない。
「“つい“って仰るけど・・・
その気軽さは二度三度と
過ちを重ねるわ、きっと」
私は敦也でなく
夫の横顔に言った。
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