夕暮れにて

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「『気持ちがない・・・』  なるほど男の正直なとこね。  出産前後ですもの、  妻は“ツカイモノ”にならない。  でも、それは、二人の子供を  産んだ晴れがましい“戦い”の  骨休めなのよ。労ってくれて  当然じゃないの?それを逆に  トドメを刺すような傷をつけて・・・  赦せると思う?単細胞にも  ほどがある・・・そう、単細胞!  また人生の慶びのときにまた  妻を傷つけて・・・・単細胞・・・  どんなに憎いか・・・  その幼い心が・・・どんなに  どんなに憎いことか・・・・っ!」 私の顔は・・・夜叉が 憑いていたようだ・・・ 「お、お母さん・・・?」 いつの間にか、晴香が 傍らにいて、心配そうに 私の顔を覗いていた。
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