魔女の館

2/11
前へ
/485ページ
次へ
「厄介な依頼者…というより  相手方なんだが」 「“奥様”のほうですか?」 「ああ、離婚に応じてくれる  気配は微塵もない」 「別居から十年…ですよね?」 「ああ、依頼者が“別宅”へ  移ってから一度も帰宅は  ないんだけれど、ガンとして  離婚には応じてもらえない」 十年の記録に目を通す… 財産の一切合財を 条件にしているようだ。 「愛人を作って家を出たわけだから  正妻的には意地もあろうが…  なんというか、取り乱すでもなく  サラっと『離婚しません』、だけ」 「そりゃ手強いですね」 「申し訳ないが、女は女同士、  一度君が行ってもらえないか?」 という経緯で 上司から託された(押し付け) 案件の正妻宅の屋敷内へ 車で踏み入れて・・・・ ・・・・森のような庭に 385eacbc-94f0-4e00-b431-515b27f74300 なんと見事な設計の蜘蛛の巣。  
/485ページ

最初のコメントを投稿しよう!

327人が本棚に入れています
本棚に追加