魔女の館

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しばらく見入ってしまっていると 「松堂さんですね、  お待ちしておりました」 二人に生き写しの男性、 (依頼者か…) 門扉を開けて招いてくれた。 「この度、担当になりました  松堂優子でございます」 「佐久間のヤツ、痺れをきらせて  あなたに難題を押し付けましたね、  申し訳ない」 笑顔が穏やかな人、そして 「こんな田舎まで、お疲れに  なりましたでしょ?どうか  こちらにお掛けになって、  お茶でもどうぞどうぞ」 後ろから小走りできたのは (愛人?愛人というには  ん…地味な…何処にでもいる  普通の主婦…) 身体に馴染んた木綿のエプロンには 可愛い猫のワッペンすら 微笑んでいる…。 不意とあの“蜘蛛の巣”が 胸を霞めた…。
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