ティールームにて ③

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「東京へは仕事?日帰り?」 「日帰りだ、夜の特急で帰る」 「そうね、栃木と言っても  特急なら80分足らずなんだもの。  栃木…足利…懐かしいわね…」 懐かしい… ほんとに妻は思っているだろうか? 別れる手前の半年は  『こんな所、一秒も居たくない!』 喧嘩の度に叫んでいた妻。 東京育ちの妻には 田舎暮しと、造り酒屋という 家業の長男の嫁であることは 蜜月を過ぎた時には 苦痛でしかなかった。 dea6ec5a-0330-4e6f-910e-f0c109d0f186
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