ティールームにて ③

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破綻の始めはなんだったろうか? 家業を覚えることに 必死だった僕には たまの休みに妻と 出掛けるくらいしか してやれることはなく、  「たまには独りで   ゆっくり絵を描きたい」 それは彼女のSOS。  「近くに先輩のデザイン会社が   あって、バイトでもいいって   言ってくれてるの」 あれは彼女の切望だった。  「ここにいる私は   私じゃない」 これは彼女の決意だった。   
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