ティールームにて ③

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「じゃあ…そろそろ行くわ」 妻は、いや元妻は立ち上がった。 「ああ」 僕もつられて立ち上がり 「……元気で…」 小さな声で…なんとか言えた。 それから妻は 「ごめんなさい…今頃…だけど」 深く頭を下げてから… 背を向けて…行ってしまった…。 糸がプツリと切れた操り人形みたいに 僕はドサっとソファへ尻もち。 ずっと忘れられずにいた女…。 夜毎抱く夢を見て泣いてた…。 これから暫くは 彼女を抱く誰かへの嫉妬に 身悶えしながら… 僕は暮らしていくのだろう…。            ー 了 ー
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