めぐり…愛

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めぐり…愛

「どうかしました?」 「 え?! 」 「朝から…私を見てばかり」 「ん?ハハ…綺麗だなあと」 「いやあね、冗談ばかり」 (冗談ではないよ) 口にはしないが、 長谷川は思っていた、 (妻は綺麗だ)と。 この頃…一際…。 今朝のように黒髪を上げて 緩く纏める首筋は艶かしい。 ボリュームのある身体ではないが 子供を一人産んだふくよかさを 箇所箇所に蓄えているラインを さり気なく感じさせる ジャージ生地のワンピースは 大きな花柄を際立たせていた。 (知りあって十年  結婚して六年…) 前妻を泣かせた恋だった。    
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