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十七も違う八重花との
出逢いは・・・・・
八重花が二十三のとき。
長谷川の経営する会社へ
彼女が新入社員としてきた春だった。
春…春の似合う娘だった。
世間知らずの東京知らず、
「わあ、こんなの初めて」
何を見せても、食べさせても
感嘆の声で、振る舞うこちらを
喜ばせる八重花。
長谷川より三つ年長の、
絵に描いたような
東京育ちの妻にはない素朴さに
長谷川は心惹かれた。
そして…………
「…こんな関係は
初めて…なんです…」
長谷川の胸の下で
小さく、そして熱く…
吐息に震える八重花に
分別もなく、長谷川は
落ちていってしまった、
深く・・・・・・。
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