最後の焔《あかり》

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身体に…不義の味を憶えたら 女は嘘つきになる…。 平気で嘘を重ね始める。  「バカね…忘れ物して   会社まで取りに戻ったわ」 門倉の指を離せずに 駅を三つも乗り過ごしただけ。  「土曜日の朝も   暫くは出勤なの」 降りる駅は会社ではなく 単身赴任の門倉が暮らす駅。 ワンルームの部屋の ドアを開けると 靴を脱ぐのももどかしく マングローブの枝さながらに 二人で絡み合いながら   根を沈めてゆく…愚か…。
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