最後の焔《あかり》

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微熱から高熱、 微熱に戻り…平熱を… 取り戻して家路へと…。 けれども、恐れていた通り… 微熱の止まぬときはきた。 門倉との逢瀬の帰り、 家まで…五百メートルもない最寄り駅。 いけない汗の乾かぬ“女の私”が かろうじて電車から 降りたはいいが、ベンチに パタリと座り込んだ。 帰らねばと急く“妻の私”が、 必死に呼びかけても “女の私”は… ……立つ気も失せていた。            ー 了 ー
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