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旧家の長男である彼、
一人いる妹は
他家へ嫁いでいる。
「早く結婚して跡取りを」
三十過ぎからやいのやいのと
せっついてくる両親には
辟易してはいたものの…
他に出逢いがなかったのか…
出逢うつもりがなかったのか…
そこは彼自身も曖昧なところ。
だから…彼女と…
とんでもなく猥褻な彼女と、
情交をズルズル…。
そんなときだった、
なんだか同僚との付き合いにも
希薄で時計ばかり気にする
“訳あり女”の存在を
彼が嗅ぎつけたのは。
同種の獣の匂い…。
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