紅葉時雨
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唐招提寺近くの優紀子の家へは 日暮れ前に着いた。 「ああ、よかったぁ。 今ちょうど“かやく御飯”が 炊けたとこやわあ」 顔の表情と声がピタリとくる 穏やかさに、扉を閉めた途端、 私はいいようのない安堵を味わう。 仕事絡みで知り合った優紀子とは 3年以上の仲になる。 「・・・飯は、あとでもいいよ」 私の“男”は、優紀子の後ろ姿に すでに欲情していた。
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