紅葉時雨

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「まだ・・・夜も更けてないや・・・  ・・・ないです・・かぁ・・・」 形ばかりの抵抗だと “優紀子”に触れればすぐ解る。 私は初めて女を知った青年のように 優紀子を貪り、恍惚を求める。 五十過ぎの・・・良識ある男女の 持つべき関係ではない・・・。 分別の利く人間であったはず。 けれども私は山の彩りのように 深く、濃く優紀子へと溺れていく。 私達の“愚かな断末魔の声”を かき消すように 裏の紅葉が降りしきる・・・。           ー 了 ー
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