むすめごころ

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むすめごころ

「お母さんは恋をしたことがないから  私の気持ちはわからない!」 娘はそう言うと二階へ 泣きながら上がってしまった。 22歳、大学卒業と同時に 同級生と結婚したいという。 差し迫った理由でもないらしい。 ただ、地方出身の恋人が 地元で就職するので 離ればなれになるのが厭だと。 「1年くらい、様子を見て  判断してもいいんじゃない?」 夫に相談する前に意見を言った。 「1年も離れたくないから  先にお母さんに相談したのに  やっぱり条件のいい人と  見合い結婚したお母さんには  こんな気持ち、解るわけない!」 ・・・ソファに一人残った途端 鮮明に浮かんだ“懐かしい顔” あの人は・・・どうしているだろうか。  
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