葉桜、忘れられ・・・

2/2
322人が本棚に入れています
本棚に追加
/485ページ
この桜並木に 初めて連れてきてくれたのは 本日の新郎だった。 私達は同期入社で 仕事も仕事帰りも一緒が多く 夕食を共にすることも多かった。 私は彼が好きだった・・・。 数年前の夜、ここで二人でみた夜桜。 花灯りのたもとでの口づけと 互いに濡れ合った一夜は 彼にとっては“酔いの気まぐれ”。 それでも私は彼が好きだった。 身体に刻んだ一夜を頼りに 一縷の望みを抱いていた・・・。 川面に映るのは葉桜と私、 しばらくは立てそうにもない・・・。 99fd16f4-69d4-4c27-9048-ef6ee6b2254e           ー 了 ー
/485ページ

最初のコメントを投稿しよう!