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気 配
「土曜日の夜、食事にでも
出ましょうよ、たまには」
「・・・ん・・・仕事で土曜も
遅くなりそうなんだ・・・」
わざとこちらを見ないまま
夫は身仕度しながら答えた。
返事をしない私に気遣い、
「そうだ、土曜から鎌倉へ帰ってくれば
いいよ。子供達の顔もお義父さん達に
長く見せてないんだし」
「あなたは?どうするの?」
夫の横顔をじっと見る・・・。
「僕は日曜の昼前には迎えに
行けるよ」
夫は良策を得たような微笑み。
そんなにも、ゆっくりと
“彼女”との情事を楽しみたいの?
かろうじて喉に言葉を押し込めた。
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