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恋と教師と秘密の関係
日頃余り悩みの無さそうな生徒達の頭を悩ませた、一週間の期末テストも終わった。
ここから終業式までの期間は、赤点を取った者達への補習期間などになる。
つまり、無事関門を突破した一般生徒は、俗にいう「テスト休み」というやつだ。
残念ながら教師にテスト休みなる物は無いので、平日の俺は出勤。
勿論、赤点を丁寧にも取ってくださった教師泣かせの生徒も数人いらっしゃるので、初めの数日間は真面目に補習をしてみた。
「久我っちー。真面目にやらないと、トモゾーに叱られるんじゃない?」
「やっただろ。真面目に最初の二日間。テスト作りに勤しんだ疲労困憊の俺を陥れるだけじゃなく、鞭まで振るう気かお前ら」
「いや。そんな気ねーし。ていうか俺は久我っちの補習だけでラッキーだったわ。トモゾーの数学なんて、あまりの恐怖に悪夢見るって友達言ってた」
「うそー! 超怖いんだけどっ」
「あのなぁ。言っておくが、お前らがちゃんと勉強さえしてれば、補習なんてメンドクサイもんやんなくて済むんだろうが……。この次はしっかりやれよ? せめて赤点回避の一夜漬け位は」
はーい、とこんな時ばかり気前の良い返事をする生徒達。
補習三日目。
早くもやる気ゼロの久我組である。
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