恋と教師と秘密の関係

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 *** 薄暗い館内。 海をイメージしているのか、照明の色合いは深く濃いブルー。 館内へ入ってすぐの、まるで深海へいざなうかのように続く螺旋状のスロープを下る。 下りきると、目の前にはこの水族館イチ押しの大型周遊水槽があった。 「わー、凄いね先生! イワシとマグロ!」 ことりは感嘆の声とともに目を輝かせる。 (おいおい、感激するのはそこか?) 水槽に近寄り、二人で悠然と泳ぐ魚を見上げた。 「ヒラメとかエイって、下から見ると愛嬌あるね。……なんか、今度食べる時切なくなりそう」 「………。ことりの感想って、普通と少しズレてるよな」 「えっ! 変なの? 私」 「いや。面白くて新鮮だけど。逆に」 そんな会話をしつつ次の水槽へ。 夕方とは言え、思いのほか人が少ないような気がする。館内は空いていた。 家族連れが減ったのは分かるが、それでも今日は土曜日。もう少し混雑していると思っていたのだが……。 「私、水族館来るの小学校の遠足以来なんだ」 ことりはその事を特に気にする様子も見せず、順路通り水槽を眺め楽しんでいた。  
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