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明日の土曜日は、車で遠出し、とあるテーマパークへ行く事にしていた。
ここからは高速を使っても片道約二時間強、ちょっとした小旅行だ。
だが別に特別でも何でもない。このくらいの移動は俺らにしてみれば当たり前と言えよう。
他人の目はやはり気になる。
臨時とは言え教師。彼女は学生。
地元では生徒達や学校関係者に遭遇する危険性が高いので、デート場所は「これでもか」というくらい神経質になっていた。
……ことりが、である。俺は別にバレても構わないと呑気に考えているのだが、彼女はとにかく《秘密》にこだわっているのだ。
待ち合わせの時間を確認すると、「楽しみ」とことりは声を弾ませる。
その高めなテンションのまま、彼女は今日の補習について聞いてきた。一方の俺は、やる気の無い補習などについて語るテンションは通常低かったりする。
でもまあ、今日においては気分が良かったので。
我ながら良いアイデアだったと自負がある。補習課題に関しての一部始終を、俺は通常運転より二割増し程のテンションで彼女に教えてやった。
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