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「甘いものいる? 糖分補給」
自分が食べているメープルナッツケーキを指差すことり。
ちなみに、彼女のドリンクはロイヤルミルクティーだ。
見てるだけで胸やけしそうになる……。まったく、女という生き物は糖分に対しての際限が無いというかなんというか。
ブラックコーヒーを一口飲み、「いらん」と一言。
「違う意味でくたばりそうだ」
「先生、甘いの苦手だっけ?」
「いや、違うな。少量なら全然イケる。その組み合わせが視覚的にすでに凶暴なんだよ。目だけでゴチソウサマ」
「えぇー? そんなに?」
ケロッとした顔でケーキを食べると、ことりはこれくらいは普通だとクスクス笑った。
「じゃあ、先生とケーキバイキングは行けないね」
「………」
冗談めかして言ってる顔が、ちっとも冗談になってないじゃないか。
寂しそうに笑う瞳なんて……反則だ。
「女同士が良いならそうすれば良い。でもな、ことり。お前が俺と行きたいって言うのを、無下に断る理由はどこにも無いだろ」
「……先生」
「何処までもお供しますよ、お姫様」
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