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序章
「好き」
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
ねえっ!!ヤバイって!!
今私告白したよね!?
人生初だよっ!!
そんな私の勝手な脳内騒ぎとは裏腹に落ち着いている秀明。
「…知ってる。」
重々しい表情で告げられた。
「は、はあっ!?」
「俺、彼女いるんだ…」
彼女…?
何それ
そんなの
聞いてない
「い、いつから…?」
こんなこと、聞く予定じゃなかった
もっと、楽しくて胸がときめいて嬉しくなるはずたった。
「…ごめん。先週…告白されて。」
そんなことがあったのが1か月前。
まだあいつのことを思ってる私って相当バカなんだと思う。
私は川崎凜香
1か月前、幼なじみだった河野秀明に告白し、いまだに忘れられないって言うイタイ女。
いや、私だって忘れたいんだけど
「りーんーかー!!!いい加減やめたら??」
「わ、わかってるよっ…」
すぐに諦められない私ってなんなんだろうバカなのかな←
「あおいー!俺先出るよー??」
「おっけーわかったー!!」
この子は田原葵。山崎洸騎っていう彼氏がいる。まあ、非リアの敵だよね。
「じゃっ!あんたもそろそろ出会い見つけなよ??」
そう言って去っていった。
葵は髪がまっすぐできれいではっきりとした顔立ちをしていて、男子にモテる。
私はというと、童顔だし髪は癖毛だしおまけにこんな性格だし。
可愛さっていう言葉とは無縁に生きてきた。
でも、あいつだけは、言ってくれたんだっけ。
「かわいいんだから、自信もてよなー!」
まただ。
忘れさせてよ
もう私には
勝ち目ないのに。
「河野ー!帰ろっ!」
ほら。もう私には何も残ってない。
「ひな!」
あんなに嬉しそうに笑わないで
そんな顔、私も見たことないのに…
宮本ひなたはよく男子に呼び出される。
結局、世の中顔なんだよね。
私みたいに性格も顔も可愛さなんてひとつもない人間、好かれようとも好かれないんだ。
「じゃあな!!凜香!!」
だから、私を呼ばないで…
また、好きになっちゃうよ…?
「バイバイ」
もう、こんな一ヶ月をずっとずっと我慢してきた。
まだこれからもこんなこと、我慢しなくちゃいけないのかな…?
恋なんて
しなきゃよかったんだ
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