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1 川崎凜香
そんなこんなでもう私は人生を悲観してた。
でもよく考えたら
受験生だった…!!!!!((
ほんとホントにこのご時世にどうでもいい話なんだけど
私かなり頭悪くて…
前までは秀明に教えてもらってたんだけどもう私にはそれができない。
仕方がないから、クラスで一番頭がいい工藤に頼もうとして
やめた。
あいつは、「みんなの王子様」だから。
工藤晴真は「みんなの王子様」なのだ。
で、でも勉強教えてもらうくらい、いいよね…?((
だ、だって数学わかんないし…((
「あ、あのっくどu…」
「はい邪魔ー!!」
「はるまくーん♥️」
「はるま君っ!!」
「きゃぁぁぁ♥️」
ほらね。みんなの王子様。
((というかこれはストーカー))
どうでもいいけど誰か私の数学を救ってよ…泣
「ねえ、あんたなにやってんの?」
「へっ!?」
なにっ!?
えっ!?もうこんなに暗くなってるの!?て言うか私寝てたの!?
ひとり驚いていると私の表情を読み取ったのか、工藤はおもむろに口を開く。
「めちゃくちゃ寝言いってたけど、どんな夢だったの?」
「はあ!?寝言っ!?」
恥ずかしい…寝言なんて…
「冗談だし笑笑バカなの??笑笑」
「なっ…!!!」
あーもう何で私こんなやつに構われてんのっ!!!
「ばばばかじゃないし!!」
「それにしては丸が少ないんだね」
私の手元のプリントを見て馬鹿にしてきた工藤。
「勝手に見ないでよっ!」
「見えただけですー」
我ながらなんて低レベルな会話をしてるんだろうとか思っていたら
「教えてやろうか??」
なんて上から目線でものを聞くんだこいつは((
「結構ですっ!」
「そのわりには目が教えてって言ってるよ??」
こ、こいつ…
何でわかった((
「私なんかに教えてられるほど暇じゃないでしょ」
「いやぁ、俺って王子様じゃん??」
はあ?
「どの辺が?」
その言葉に完全に頭に来たらしく、顔がフリーズしていた。
「俺って王子様じゃん???」
今度は圧がすごい。
だんだんと私が壁に押し付けられそうになる。
「ちょっと…近いから…」
「へえ??いいじゃん?よく見てみなよ俺のこと。」
最終的に壁に背中がついてしまい、どこにも逃げることが出来なくなってしまった。
「だっだから近い…」
「その口塞いでやろうか??」
世に言う壁丼 顎食いの状態でそれを言われてしまったら冗談に聞こえてこなくて私はただされるがままにしていた
「なーんてな」
は?
「は?」
「からかっただけじゃーん。何でそんなに赤くなってるの??」
「は、はあっ!?べべべべつに赤くなってなんかないしっ!!!」
「いやでもこの点数はヤバイだろ。勉強してんの??」
「しててこれだから悩んでるの!!」
こいつのどこが王子様…??
あり得ない
「てか、あんた誰??」
「えっ今!?」
「いや俺あんたの名前知らないし」
…こいつ、人の名前知らないのにこんなことしてんの??
ヤバイやつじゃん
「…川崎凜香」
「川崎ちゃんね、おけおけ」
なんか、完全にあっちのペースに巻き込まれてるんですけど
「工藤っ!」
ビックリした様子で工藤が振り向いた
「…って、呼んでいい??」
そう言ったら工藤の顔が夕焼けに赤く染まった。
「勝手にしなよ」
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