河野秀明

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河野秀明

俺は、この気持ちをどうしたいのだろうか。 「好き」 真っ赤な顔で告げられたそれを、俺は肯定したかった。 だけど、否定するしかなかったんだ。 何で、今なんだろうって。 ずっと前から俺は 凜香が好きだったのに。 「河野??」 言われて気づいた。 今の俺には、彼女がいる。 「なに?」 「ひなね、あのお店入りたいんだけど待っててくれる??」 「いいよ、待ってる」 「わかった!行ってくる!!」 宮本ひなた。 男子によくモテる。 ((お前男子じゃねえの??という意見はさておき。))   俺のどこが好きなのかも告げられないまま、付き合うことになってしまった。 俺は 告白されるまで、俺は凜香が好きで、凜香は俺が好きだと思ってた。 今好きかと言われたら、悩むかもしれない。 ひながいて俺は凜香を振るしかなくて。 どうしてそんなことをしたのかも分からない ただ、最近決定的になったことがあった。 「工藤!!」 「なんだ、川崎ちゃんか。なら勉強教えなーい」 「はあ!?私だから教えてほしいんだけど!!」 「わかったわかったどこが分からないの?」 「えっとねーもうここからここまでは理解した!」 「それ全然理解できてないよ」 「えっ」 楽しそうな、会話。 嬉しそうな、二人。 俺は、彼女がいながら 幼なじみが幸せになりつつあるのに、 その幸せを 否定してほしいと思っている。 「工藤。」 「なんだよ、河野かよ」 「お前ホントに女子と俺とで対応違うのな」 そう言って、笑いたかった。 いつもの、冗談。 「あーでも、川崎ちゃんとかは結構俺、素を出してると思うなー」 凜香…? 「凜香と楽しそうだよな、最近」 否定してほしかった。 川崎ちゃんがバカなだけだろ笑、何て言って。 だから、俺は自分が分からないんだ 「まあ、楽しいよ。川崎ちゃんといるのは。」 嫉妬。 それが自分のなかに渦巻いてるんだって、知った瞬間だった。 **
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