宮本ひなた

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宮本ひなた

「河野君が好きです」 そう言ったら、彼は困った顔をした あたしはよく男子に告白される。 だけど、正直告白してくる男子には全く興味がない。 よく、告白されたら1日その人のことを考えるとか言うけど そんな感情、あたしは持ったことがなかった。 河野君だけは違ったけど。 最初見たとき、いつも川崎さんがとなりにいて楽しそうだなって。付き合ってるのかなって思ってた。 川崎さんを見る河野くんの目が、とても優しかったから。 けど、その姿を認める度に だんだんと胸が苦しくなって あたしの方が川崎さんよりかわいいのに。 あたしだったら河野くんに迷惑をかけることなんてしないのに。 そう、思い始めた。 「河野??」 いつも、河野くんはどこか変なところを見ては寂しそうな表情をする。 ハッとした表情であたしのを方を向いて笑ってくれる。 「なに?」 ああ、まただ。 こうやってあたしは 河野くんの何にもなれないままとなりにいる。 もう、一ヶ月ほどだ。 きっと河野くんは川崎さんが好きで。 本当だったら河野くんのとなりには川崎さんがいるはずだった。 だけど、同情かどうかはわからないけど あたしと付き合ってくれている河野くんに 今日も甘えてしまう。 ごめんね。 でもやっぱりあたしは離れてほしくないの ***
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