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工藤晴真
俺はいったいどうしてしまったのか。
王子様はどこへ消えたのか。
川崎ちゃんと出会ってから そんなことばかり考えていた。
「どの辺が?」
そういわれたとき、本当にカチンと来た
俺を見ろって本気で思った
だけど、最近はそんなことどうでもいい
そばにいてくれたら。
「ねえここマジでわかんないから今日こそ真面目に教えてくれない??」
いつもよりドスを効かせて彼女は言った。
「まあまあ、そんなにピリピリしないのーせっかくかわいい顔が台無しだよ??」
俺は、相変わらず王子様だ。そのときまではそう思ってた。
「は!?いやべべ別にかわいくなんかないからっ!!」
慌てたように、川崎ちゃんが言った。
俺としては、「もおっ!!晴真君恥ずかしいよぉっ!!♥️」とか言う他の女子の反応に慣れ親しみすぎたため、思わず
「は?」
と返していた。
彼女は、いい意味で変わっていた。
もちろんそのあと、
「は?ってなんなの失礼ー!てか、何で顔赤いの??風邪引いた?」
なんて言われる始末。
俺が王子様を卒業したことを思い知らされた瞬間だった。
ちなみにそのあと、彼女には両頬をつねってやって報復を完了させた。
でも、彼女は、河野が好きで。
河野はきっと今頃宮本と付き合っていることを反省しているのだと思う。
そんなこじれた中学生相手に、(お前もじゃね??とか思ったら負け)王子を卒業した俺がやることと言えばひとつしかない。
「川崎ちゃーん!今日もかわいいねー」
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