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「あーおおいいいいいいい!!!!」
「は!?ちょっ!?いきなりなに!?」
もう、私だけの力ではやっていけない。
葵に聞いてもらうしか、方法が思い付かなかった
「自分がきらいになるよこんなの…」
すべてを話した私は、はあっとため息をついた。
葵はというと、なぜか胸をときめかせていた。
「いやぁ、河野スゲーね」
「は?なんで?」
「あ、いやこっちのはなし。てかあんたなんにも気づいてないの??」
「何に?」
「工藤ってあれでしょ?工藤晴真でしょ?」
「そう、その工藤。」
「いやあいつモテるのに…自分から女子に話しかけることはないらしいからビックリしちゃって…」
「え?そうなの?」
「凜香のこと好きだったりしてね~!」
「はぁっ!?なななわけないじゃんっ!!」
いやいやいやいやいやいや!!!
ないないない!!
工藤君は私をからかってたりするだけで…
「俺にしなよ。」
「だぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「は?今度は何!?」
「ななんでもないっ!」
そうだ。よく考えたら
工藤君の前で泣いちゃったんだ…
「だ、だいたい工藤君なんてチャラいだけで全然王子様じゃないしっ!!」
「俺がなんだって~?」
噂をすれば、だ。
「くくくくくどうくん!?あのこれはちがくて、ただえっと世間話でもしようかにゃっ」
噛んだ。
恥ずかしい…
「ふっ…」
そう言って君が笑った。
「にゃってなんだよっ」
そんな君の笑顔見てたら私も安心してしまって、
「噛んだんだからしょうがないでしょっ恥ずかしいからやめてよー」
一緒になって笑ってしまった。
「川崎ちゃんって猫みたいだよね」
「なにそれ~」
なんて、会話をして。
楽しいなって。思って、秀明のことを忘れていた自分がいた。
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