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きっと高橋ではなくても、気になる生徒が居れば、イツキはそうしていたに違いない。残酷だけれど、それが真実だ。
さめざめと泣いている高橋の涙が、イツキを濡らしてゆく中、流暢にもそんなことを考えて、胸が、痛んだ。
「高橋、せめてシャワーを浴びさせてほしい」
「……え?」
何を言われたのか分からない高橋が小さく呟く。
「中が汚れているから、洗いたいんだ。それからでいいか?」
「………」
やはり高橋は、無表情だった。
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