あーちゃん

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一番最初のあーちゃんの記憶は雨だ。 周りはみんな真っ黒な服を着ていて、いつも太陽みたいに笑っているあーちゃんが音もなくさめざめと泣いているのをみてとても居心地の悪かったのを覚えている。 舌足らずな口でその名を呼ぶ私にあーちゃんは無理矢理作ったみっともない笑顔でこう言ったのだ。 「もう泣かないよ。あんたの前ではね。今日で最後」 それから私は、あーちゃんの泣き顔を一度も見たことはない。
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