オオカミくんの日常

部活？帰宅部に決まってる。

「さて、一年生の皆さんは入学式以来ですね。改めて自己紹介をさせていただきます。生徒会副会長、木佐貫蓮也(きさぬきれんや)と申します。どうぞよろしくお願いします」

流れるように自己紹介をし、さっきとは違う笑顔を浮かべる。が、微妙に胡散臭い。

それから、部活動紹介にあたる注意事項などを順に並べていき、開始から1時間程でようやく紹介に入った。
時間がかかったのは、俺の鼓膜が破れそうになるようなことが後五回ほど続いたせいだ。
人よりも耳が良いため余計にダメージを負ってしまった。

もう色々と諦めて寝落ちしようとしたあたりで、テニス部の紹介が始まった。

「どうもー！ こんにちは皆さん！ 俺達はテニス部です！ よろしくー！」

「俺達テニス部は！ その名の通りテニスをする部活です！」

「テニスに興味がある人も無い人も、見学だけでも良いので是非！ 来てください！」

……退屈だな。一応真面目に聞こうとしていたんだが、さっき一度寝ようとしたからか、目を開けていられない。

……よし。寝よう。何かあったら、勝手に誰かが起こしてくれるだろう。何よりもう耳が限界だ。はぁ、みけ子さんに会いたい。
そうしたら、もっと……気持ちよく眠れる、の、に、な……。