君は俺のモノ(総)

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 やばいな、妬いてくれたことが嬉しくて顔が笑ってしまう。 「何」 「今、嫉妬したよな」  だが、秀次は照れからか、素直にそうだとは言ってくれない。  しかも、 「ともかく、これ以上さわるなら、膝十字固めな」  と話を戻した。 「わかったよ」  ひとまず手を離すが、俺が諦めていないと思っているのだろう。 「総一さんは待てを覚えような」  まるでワンコにマテをさせるように、顔の前に掌を向けてきた。 「おいおい、俺はワンコじゃないぞ」 「前に、匂いを嗅がれたし」  十分、ワンコっぽかったぞといわれる。確かに、秀次の匂いを嗅ぐのはすきだ。 「ワンワン」  ふざけて秀次にじゃれつく。首の付け根に鼻を近づけると、くすぐったいか、表情をゆるめた。  駄目だといいつつも無防備なんだよな、秀次は。だからつい触れたくなるんだ。 「秀次のそういうところだよ、俺が我慢できなくなるのは」  どういうことだというような顔で俺を見る。  秀次の頭をかき混ぜるように撫でると、首をぺろりと舐めた。 「うわ、ちょっと」  頭を押される。  それくらいでは、やめてやらんぞ。俺は獲物を目の前にした獣の如く、自分の唇を舐める。 「膝十字固めっ」  向こうも危機を感じたのか、そう口にするが技を掛けてくる気配はない。 「やってほしいのか」  とからかうと、 「そんなわけあるか」  そう言いかえす。すっかりと俺のペースだな、秀次。 「隙だらけで、押しに弱くて、少し天然な所、好きだぞ」  笑顔でそう口にすると、ヘッドロックを掛けてきて、俺はそのまま床に秀次を抑え込んだ。 「総一さん」  そうくるとは思わなかったようで、焦る秀次に、ワン・ツー・スリーとカウントをとり、 「俺の勝ちだな」  と口角をあげた。  秀次があんぐりと口を開けたままかたまっている。間抜けだぞ、その顔。  よし、それなら我に返るように、 「勝利のキス」  唇を指でとんと叩き、秀次にキスを促した。  すると、かたまった表情は柔らかくなり、口元に笑みが浮かぶ。  そういう意味でも俺の勝ちだな。 「はいはい、おめでとさーん」  と、秀次が俺の首に腕を回し、勝利のキスをくれた。
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