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「コタケ様からご連絡を受け、お客様のことを伺っていました。お客様、この世界とちがう合田音町からいらっしゃったのですよね?」
そう智奈に尋ねていたのでした。
受付の水色の着物を着た女性が自分と年頃が近いおかげか、智奈は照れくさくなっていたようです。静かに頷きます。
「コタケ様ご紹介のお客様は特別に無料で宿泊部屋をご用意させて頂いております。さ、こちらのお部屋へどうぞ」
「すみません、ありがとうございます」
受付の女性の話を聞き、夢芽トピの記者のコタケは何者なのだろうと気になり始めた智奈だったのでした。
けれども、この部屋に泊まって布団で眠れば現実世界に帰れると、布団を早速敷き、智奈は横になろうとしました。
そのとき、シーツに大きな穴が開いていたため、智奈は悲鳴をあげてしまいます。
「お客様、いかがなさいましたか!?」
と、先ほどの受付の女性がすぐに来てくれました。
「すみません、シーツに大穴が……」
智奈はシーツを両手に持ち、広げて見せます。
「大変、マリョクイムシですね!」
受付の女性は片手を口に当てて言いました。
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