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 ガチャ。トイレのドアが開く。 「おい!お前ら!もうとっくに五時間目の授業が始まってるぞ!!」 「あ、源五郎丸さん…」 「源五郎丸」と呼ばれた生徒は、トイレの中にズカズカと入ってゆくと、美久の腕をむんずと掴む。 「…ったく、お前らいっつもいっつも昼休みの度にトイレの中でぺちゃくちゃぺちゃくちゃと(かしま)しく喋りやがって…。お前ら女子かよ!?って言いたいぜ!なあ、美和(よしかず)美久(よしひさ)美貴(よしたか)!」  源五郎丸と共に、三人がトイレから出て教室に向かう。 「しかし、すべり止めのためとはいえ、我々って、どうして男子校を選んで入学してしまったんだろう?」 「はあ…。この高校が女子校やったら、女の子が()りどり見どり(つか)みどりやったんやけどなあ…」 「んだどもよお、この高校が女子校だっだら、オラたちはここにいねえっつうごどになるべ」
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