1人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「そうだけど」
と俺はわざと面倒くさそうに言った。
「すごい! 偶然ですね」
と少女は俺の書いた『イカロスの殺人』をカバンからだして、サインをねだる。
「ガキにはまだ速い内容だぜ」
と俺は言った。
少女はムッとして、それからその気持ちを隠すように微笑んだ。
「お願いしますよぉ」
「自分を殺すな」
と俺は言った。
「金のために適当に書いた『イカロスの殺人』なんかおもしろがってんじゃねえ」
少女の顔がひきつった。
最初のコメントを投稿しよう!