1人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「お前はこれからどこへ行くんだ?」
「図書館です。宇野先生は?」
「海」
「ミステリーのネタを探しに?」
「そんな面倒くさいことしねえよ。トリックなんて適当につじつまあわせりゃあいいんだから」
「あの」
と少女が言った。
「私もついて行きます!」
「やめろ」
「いいえ。私、世の中というものを誤解してるんだと思うんです! 先生は『イカロスの殺人』を『がんばって書いた』とは言わずに、『適当に書いた』と言いました。きれい事じゃない、本当のことを言ってくれます。きっとためになると思うんです」
最初のコメントを投稿しよう!