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ーBody Language→
土日と祝日が重なる三連休の初日のことだった。
その朝、一之宮紫月は夢で起こされた。心地の悪い、非常に嫌な夢だ。幼馴染みであり親友でもある鐘崎遼二が出てきた――までは良かったのだが、その内容が少しばかり驚愕だった。
遼二とは高校に進学して間もなくの頃から、親友を越えた濃い関係を結ぶようになっている。
元々、異性に興味が持てなくて悩んでいた紫月は、学園行事で行った夏キャンプの際に、ふとしたきっかけから彼とふざけてキスをしてしまった。それを機に思いも寄らぬ火が点いてしまい、今ではしっかりと肉体関係を結ぶ間柄にある。
が――、だからといって、二人の間では互いを恋人だとかいう括りで定義付けているわけでもない。告白はおろか何の約束もしていないし、言うなればセフレのようなものだ。そんな曖昧な関係だが、今までは取り立てて不満に思ったことはないし、不安に感じたこともなかった。
ところが――だ。今しがた見た夢は、そんな遼二との関係を考えさせられるようなきっかけとなり得るものだった。
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