ーBody Language→

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 遼二と深い間柄に嵌まる少し前のことだった。それまでは彼にも、いわゆる『彼女』と呼べる相手がいたこともあった。  容姿端麗で男らしい魅力にあふれた遼二は、性質も気さくで、男女問わず誰からも好かれるような男だ。どちらかといえば愛想のない自身とは違って、彼は女性からもよくモテていた。告白されることも多く、気のいい性質だから断るでもなく、とりあえずは相手の好意を受け入れるタイプの彼は、女たちと付き合うことも割と多かった。  そんな経緯が頭のどこかにあったのだろうか、先程見た夢の中での遼二は、自分の見知らぬ女と情事にふけっていたのだ。  脳裏に浮かぶ映像の中には、女を後方から抱き包む彼がいる。酷く濃密な雰囲気で、はっきりとした欲情にまみれて絡み合う二人の姿に、胸が締め付けられるような思いに陥った。  夢の中の遼二は女に奉仕され、快楽がたまらないというような表情で彼女の髪を撫でている。いわばオーラルセックスというやつだ。  しばしの後、逸ったように彼女を抱き締め、ふわふわとした巻き毛の長い髪を掻き分けて『――いいか?』と、色香であふれた低い声を耳元に落とした。もう挿れたいという意味だ。  そんな行為を傍で見ながら、『おい、てめえ――何してやがんだ』懸命にそう叫ぶも、当の二人にはこの声が届かない。喉が焼け付いて()れそうになり、そこで目が覚めた。
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