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私と由隆、そして美沙の三人は物心ついた時からずっと一緒にいた。
お互い幼い頃に新興住宅地に引っ越して来た縁で繋がった私たち。
ひとりっ子の私は突然出来た同い歳の由隆と美沙をまるで弟と妹のように扱った。
だって私は三人の中で一番誕生日が早かったし、体も私が一番大きかった。
そして物怖じしない性格の私は、弱虫の由隆と気弱で優しい性格の美沙の先頭に立ち常にふたりを引っ張って来たのだった。
そんな関係は中学生になっても続いていて、背丈こそ由隆に抜かれてしまっていた私だったけれど親分気質の性格は変わらず、三人の関係は他の友だち関係よりも強く繋がれていた。
やがてそんな三人の関係は思春期を迎えるとより濃く、深いものへと陥って行った。
「ねぇ、セックスってしたことある?」
「えっ! な、何いってんの、恵梨花」
「あんたのその驚きようからいったらまだしたことないわね。美沙は? もうした?」
「し、しししししている訳ないじゃない! ま、まだ中学生だよ、わたしたち」
「初心だなぁ、美沙は。もうしている子、いっぱいいるんだよ」
「えっ! じょ、女子ってもうそんな──」
「男子の間ではそういう話しないの? もうヤッてる子いるんじゃない?」
「し、してねぇよ! そんな……そんな」
「したいと思わない?」
「えっ!」
「な、何いってるの、恵梨ちゃん」
驚く二人を前に私は意気揚々と語った。
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