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「だってこの私がまだ経験していないことを周りがしているだなんて許せないよ! したい、したいよ!」
「そ、そんなにしたかったらひとりで勝手にすればいいじゃん。恵梨花、モテるんだからさぁ」
「なんで好きでもない男とヤんなきゃいけないのよ」
「へ?」
「ねぇ、三人でしてみない?」
「「?!」」
私の言葉に由隆と美沙はそれはもう驚いた顔をした。
「私、セックスはしてみたいけどそこら辺の男とするのは御免なの。でも由隆と美沙だったらしてもいいなぁ~って」
「ちょ、ちょっと待って、恵梨ちゃん! わ、わたしは女だよ?! それにわたしは別に」
「え、美沙、したくないの? 私と由隆で先に経験しちゃっていいの?」
「…!」
「ちょ、ちょっと待て! おまえ……恵梨花! どんどん話を進めて行ってるけどな、お、俺の気持ちとかそういうの、無視してんじゃねぇよっ」
「あれ? 由隆は嫌なの?」
「!」
「私と美沙相手じゃ不満だっていうの?」
「そ、そんな……」
「ねぇ、どうなの?! あんたたち、経験したくないの? したいの? どっち!」
──結局私のこの有無をもいわせない勢いにふたりは負けた
今思えばなんて馬鹿らしいことをしてしまったのだろうと少しだけ反省するところもあるけれど……だけど私たちは三人で同じ経験をして同じスピードで大人になって行った。
三人でセックスをしたのは後にも先にもその時、初めての時の一回きりだった。
私はセックスを経験したら劇的に何かが変わると思っていたのに実際はそんなことは何ひとつなかったのを不満に感じ、経験する前までのような好奇心は全く失せてしまっていた。
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