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○青井伊月.side○
朝、葵は俺の指先にない指輪に、ちょっと残念そうな顔を見せた。
それがちょっと面白くて、笑いたくなるのを堪えつつ、何日後に気づくかなと思っていたのに、1日目にして早くもバレてしまった。
葵からもらった指輪は、ネックレスにして身につけている。
これなら無くさないし、厚着の季節はずっと身につけておくことが出来るから。
けれどバレてしまった今、しばらくは葵が面倒くさくなりそうだ。
「伊月〜!」
やっぱり追いかけて来た葵が、ご機嫌な声で俺を呼んでいる。でも、立ち止まってはやらない。
つまらない意地を張って早歩きになりながら、俺は笑った。
アオイツキ[終]
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