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大きな声でもないのだが彼ら以外にひと気がなかったこともあり、なんとなく話の内容が離れているヒドウにも聞こえてくる。
「アザミ班長ってスーツとあご髭が似合うダンディだから女性職員に人気なのは分かるんだけど、男もゾクゾクさせる色気ってのはすごいよな……目付きとか指先の仕草とか……」
「以前会話する機会があったんだけどさ、まず声が艶っぽいしメチャクチャ良い匂いもしてたぜ。もしかしたら俺、あのボリュームのある柔らかそうな胸を無意識にじろじろ見てたかも知れない……どうしよう」
と、思い出しながらため息を吐く。
すると他の青年が「分かる。俺も埋まりてぇ」と同意してから続けた。
「一日でいいからデートしてくれねぇかな……。忙しいならホテルの部屋でデートでもいいんだけど」
「いいなそれ……そういやあの班長、以前は公私に渡ったかなりの遊び人で組織内でも階級関係なしにお相手してくれたらしいぜ?」
「ほ、ほんとか?でも以前はってことは……現在はもうダメってことだよな?」
「なんだよ!そのすごく気になる告知をよく見たら、すでに〆切り終わってました~、みたいな話は!」
「その話オレも聞いたことあるけど、しょせん噂だろ?アザミ班長はハニートラップの名人だから、任務中に標的を誘っていたのを見かけた誰かが、普段も派手に火遊びしてるって勘違いしたとかじゃねぇの?」
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