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大量の汗を流しながらもアザミの痴態に魅せられてしまっていた秘書に阿窟が「もうよろしいですよ」と声をかけると、震える手で玩具をそっと引き抜き、洗面所に駆け込んでタオルやおしぼりを手に戻ってきた。
それから手早く床を片付けるとアザミの体には一切触れることなく、深々と一礼をしてからなんとも歩きづらそうに部屋を出ていく。
「あの朴念仁を、ああも勃たせてしまうなんて……やはり貴方様の魅力は特別なのでございますね」
と、阿窟がアザミの両手首を戒めていたネクタイを解いた。
「こんな酷いことするなんて……もう、俺みたいなおっさんの相手っ……飽きちまったんだろ……っ。最近ここを留守してたのも新しい愛人が出来たからなんだな……いいよ、俺、阿窟さんと別れる……」
カウンターに伏せたまま肩を震わせ、涙まじりの声で別れを告げられたことで現実に引き戻された阿窟が、慌ててアザミの汗ばんだうなじにキスをおとしながら言い訳をする。
「それは誤解でございます!アズミ様を飽きるだなんて、ましてや他に愛人だなんてとんでもございません!貴方様を心から愛すればこその愚行だったと、どうかご容赦くださいませ」
と、秘書が部屋を出る前に用意していったおしぼりとタオルを手に取り、力なく突き出されたままのアザミの濡れた下半身を謝罪とばかりに丁寧にぬぐい始めた。
「特別室のガラス壁は外側からは見えないように加工がなされている上に防音のため、秘め事が漏れ出ることはございません。どうかご安心ください」
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