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そう説明しながらアザミをカウンターから抱き起こした阿窟は床にひざまずくと、ひもパンとズボンを拾って自らの手で再びはかせ終えた。
「なんだ、だったら先に言えよ!俺、会場中の客たちに恥ずかしい姿を観られてるんじゃねぇかって……やっぱりアンタ意地悪なんだな」
と、気まずそうに目をそらせながら尖らせたアザミの唇に、阿窟が軽くキスをおとす。
「妖艶さを纏うダンディでありながら、またそのような可愛らしいお顔をして……あまり煽らないでくださいませ。私自身のファスナーも下ろしたくてたまらないのを必死に我慢しているのでございますから」
「んっ……ホントだ。ガチガチに勃ってるじゃねぇか。外からこの室内は見えないんだろ?どうせなら阿窟さんの大きいので、久々にいじめて欲しかったのに……」
と、今度は甘えるようにキュッと抱きつくと、白手袋をはめ直した手が愛しそうに黒髪や背を這うように撫でた。
「くくっ、本当に素直で愛らしい御方でございますね。私はここのオーナーでございますから、いつお客様と接触することになるか分かりません。本日最後の試合までスーツを乱すわけにはいかないのでございます」
すると阿窟の腕の中にいるアザミが、落ち着かなそうにもぞもぞと動き始めた。
「んうっ……どうしよう……弄られて熱くなっちまった体の中の疼きが治まらねぇよ……ベッドでしばらく休んで来ちゃダメかい?」
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